次の事例はある家庭で発生した習慣の違いによるトラブルです。この家庭では、トイレのスリッパをどこで脱ぐか、その習慣の違いが悲しい結果をもたらすことになってしまいました。この家のお嫁さんには、スリッパを扉の外で脱ぎ替えるという習慣がありました。この習慣にしたがえば、トイレを使用していない時、トイレ用のスリッパはトイレの外に置かれることになります。ところが、嫁いだ先の習慣では、「扉を境に内履きのスリッパは外、トイレ用は中」であったため、義母は何度もお嫁さんに向かって注意したのですが、一向に効き目はなく、結果的に感情がこじれてしまったのです。
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これがきっかけとなり、家族関係はギクシャクし、若夫婦は離婚。お嫁さんは家を出て行ってしまいました。この一例は、家の構造が人間の行動に影響を与え、それが習慣化することを教えてくれますが、離婚にまでは発展しないとしても、幻想と打算で同居を決定した場合、些細なことで世帯間に亀裂が入り、本来ならば深まるはずの信頼や情愛がかえって壊れ、険悪な事態に及ぶケースも少なくありません。例えば、老夫婦が経済的に自立している時には不満を口にしなかった嫁も、親が自分たちの家計に依存するようになると義父や義母に冷たくあたり、子どもの面倒を見てくれているうちなら我慢していられたことでも、親が病気がちになりだした途端、不和が表面化したりするのです。